大辞泉がソーシャルゲームになった理由

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新しい大辞泉、無料化と同時にソーシャルゲーム的な、利用回数の概念を取り入れた事が、ちょっと話題になっている

簡単に説明すると、利用可能回数の上限が決まっていて、検索すると1減る。画像を表示すると3減る。動画を再生すると10減る。回数が足りなくなると、機能が一部使えなくなる。減少した回数は、時間が経つと回復する。まさにソシャゲだ。

この決断、HMDT内部だけでなく、コンテンツ提供元である小学館さんも巻き込んで大論争したんだけど、現在のような形にした。

なんでこうなったかというと、まず背景としてあったのが、App Storeにおいて有料アプリが売れないこと。たとえば、今日のApp Storeのトップセールスランキングを見ると、100位までの中に有料アプリは、、、0!100位を超えるとかろうじて有料アプリがポツポツと出てくるものの、ほんの一握りだけ。つまり、売り上げを立てているのは、ほぼすべてアドオン課金タイプのアプリ、ということだ。

「いや、有料アプリだって売れているものはあるよ」「逆に言うと、有料アプリランキングの方が手薄だからランキング上げやすいよ」という意見があるのも知っている。85円のアプリを10,000本売る、というビジネスモデルだったら、それはありだ。でも、辞書アプリはどうしても単価が高い。この戦略はとれない。

とにかく、アプリはユーザに触ってもらえないと話にならない。うちで作るアプリは、触ってさえもらえれば、気に入ってもらう自信はある。だけど、2,000円のアプリでは、このハードルがとても高い。だから、無料にした。無料にするしかなかった、と考えている。

アドオンの販売方法は、始めは機能毎にバラ売りにすることを考えていた。前方一致検索は無料、後方一致検索85円、本文検索170円、画像検索450円、動画検索600円、、、ってな具合にね。でもこれ、一個ずつチマチマ買っていくのは分かりにくい。それに、いろんな機能を触ってもらおうと思って無料化したのに、お金払わないと触れないんじゃ本末転倒だ。ということで、無料状態ですべての機能にアクセスできるのが必須だった。

じゃあどうすんのよと、七転八倒しながら考えていたんだけど、最終的にたどり着いたのが、利用可能回数の導入だった。もちろん、ソーシャルゲームを参考にした。パズドラ好きだし。これだったら、辞書機能を試したい人にはすぐ使ってもらえる。ガッツリ使いたい人は、サクッとアドオン1つ購入するだけで済む。

次の問題は、このやり方がApp Storeの審査を通過するかどうかだった。App Storeのガイドラインでは、試用版を禁止しているからね。

2.9 Apps that are “beta”, “demo”, “trial”, or “test” versions will be rejected

今回の大辞泉のやり方が、「試用版」や「デモ」に相当するのか?HMDTでは、そうではないと考えている。以下の2つがポイントだと思っている。

  • 無料状態で、すべての機能にアクセスできる
  • 試用期間はなく、起動不能になることはない

唯一の制限は、連続して利用する事はできない、ということだけだ。結果として審査は通過したので、この考え方はずれてないらしい。

後は、このままアプリの開発を継続できるかどうかは、アドオン課金率がどの程度になるかにかかっている。ここは、アプリの出来と、コンテンツの中身の勝負だと思っている。このアプリのコンセプトとユーザインタフェースには自信があるし、バックグラウンドの技術もかなり先を見越して設計している。

とにかく、がんばりますよ。

大辞泉サポートページは、こちら
HMDT大辞泉Facebookページは、こちら

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