カテゴリー : 2015年 2月20日

セミナーで質問されるためにやっている事


こんなエントリ(質問される力)を読んだので、ちょっと思ったことを書いてみます。

私は、たまにセミナーの講師をやっています。話の内容は、iOSプログラミングですね。いちばん多いのは、MOSAという団体が主催しているもの。年一回開催するMSM (MOSA Software Meeting)に参加したり、スポットで単独のセミナーやったりしてます。MOSA以外でも、呼ばれたらやりに行きます。有料のセミナーが多いですね。今までトータルで30回くらいやったのかな。長さは、90分から4時間程度。スタイルとしては、前でひたすらしゃべります。ハンズオンはあまりやらないです。

で、講師が前でしゃべるんで、ほっとくと講師から受講者への一方通行になっちゃいます。でもそれ、良くないです。前にいると、会場の空気ってとてもよく分かるんです。あぁ、みんな退屈しているな、とか、こっちの話聞いてねぇな、とか。そんなとき有効なのは、会場からの質問です。質問が出ると、一気に空気が変わりますね。みんなの注意が引き戻されるのが分かるし、とにかく盛り上がってくる。

私のやっているセミナーは、質問が多いと思っています。いつも10個以上、多い時で20個くらいは質問が出るかな。時間切れで答えきれない時もありますね。同じ人が繰り返し質問するんじゃなくて、いろんな人がしてくれます。

これ、もちろん狙っています。質問がいっぱい出るようにセミナーの構成を考えたり、ちょっとした工夫を散りばめています。そんな、いつもやっていることを、列挙してみます。

 

最初に、質問していいですよと明言する

私がセミナーで、最初に必ず言うことがあります。

「話を聴いている中で、よく分からないところがあったり、それはちょっと違うんじゃないかというところがあったり、おれならこうするぜと思ったりした方は、私の話の途中でも構わないですから、どうぞ手を挙げて質問してください。」

つまり、このセミナーでは質問ウェルカムですよ、ということを明言しておきます。これで少なからず、心理的なハードルは下がるかな、と思っています。ただ、ほんとに話の途中でいきなり質問する人は、まずいませんけどね。あくまでこれは、雰囲気作りです。

合間に、質問の時間を作る

いくら質問オッケーだと言っても、話を遮っていきなり質問するのは、難易度が高いです。なので、話の合間に質問の時間を設けています。私のセミナーは、だいたい4つか5つのセクションに分かれています。資料を作るときに、意図的に区分しています。

そのセクションが終わるごとに、「ここまでで何か質問ありますか?」と質問の時間を作るんです。そうすると、ウズウズしていた人が質問してくれます。

前振り、タメを作る

いくつかのセクションに分けますが、その中には前振りやタメのセクションがあります。説明の中ですべての問題を解決しないで、あえていくつか残しておくんですね。それは、次のセクションで解決されることになっています。

きちんと話の流れを追いかけてくれる人は、ここに気付くんですね。さぁ、チャンスです。質問して突っ込みましょう。この問題はいったいどうなるんですか!?

その質問に、心の中でありがとう、と言いながら、「よく気づきましたね。それについては、この次のセクションで説明します」と、答えます。こういうやり取りがあることで、みんなの気持ちが次のセクションに向かって、何を聞けばいいのかが分かるんですね。

笑いのネタを仕込んでおく

セミナーの最中に、笑いをとることは重要です。笑いが起こると、質問をしやすい雰囲気ができあがりますし、空気がリフレッシュされてもう一度集中できるようになります。

とは言っても、笑いをとることはものすごく難しいです。芸人さんじゃないですし、いきなり笑わせようとしたって無理というものです。なので、あらかじめ笑いのネタを用意しておきましょう。私はどちらかというと無口で、面白味のない人間ですが、それでもいくつかのネタがあります。「こんな機能を入れると素晴らしいんですけど、絶対リジェクトされますね」とか。わざとアプリをクラッシュさせて「あぁっ! 今のは見なかったことにしてください!」とか。こういうのは、ちゃんと仕込まれています。

「いい質問ですね!」

質問を受けたときは、こう言いましょう。「いい質問ですね!」

質問する人を勇気づけて、みんなの興味を惹くことのできる、魔法の言葉です。これを言うと、次の質問が出てきやすいです。

あ、でも、こんなこと書いたからといって、私が適当に、いい質問ですね、を乱発しているわけじゃないですよ。本当にそう思ったときに言っているんですよ。

質問を繰り返す

会場から質問を受けて、それに答える前に、自分でその質問をもう一度繰り返します。「今、〜〜という質問がありました。それに対する答えは、〜〜です。」という感じで。

これは、質問者がマイクを使っていない場合など、質問が会場すべての人に聞こえていない可能性があるからです。質問とその回答は、質問者と講師の一対一ではなく、会場全体で共有するものです。

また、質問が曖昧だったときに、それを明確にすることができます。あと、ちょっとずるいですけど、質問の意図を変えない範囲で、回答しやすいようにちょこっと表現を変えることもあります。

最後の質疑応答の時間を、何がなんでも確保する

セミナーの最後には、必ず、絶対、何がなんでも、質問の時間を確保します。5分くらい。これができない人は、どんなにいい内容を話していたとしても、セミナーの講師として失格だと思っています。私は、常に時計とにらめっこしながらしゃべっています。

 

こうやって雰囲気作りをすると、質問がたくさん出て、セミナーが盛り上がります。そして最後に、「本日は短い時間でしたがありがとうございました」とあいさつした時に、自然に会場から拍手が湧き上がったら、今日は成功したぜっ! と、心の中でガッツポーズを決めます。