カテゴリー : 2012年 1月17日

Yellow SubmarineとiPad電子教科書(追記あり)


HMDTでは、定期的にエンジニアの人たちで、内部で技術プレゼンをやっている。内容は、日々の仕事を通して得られた、他の人の参考になりそうなプログラミング情報を共有する事。なかなか面白いです。

で、先日の発表で出てきたネタをご紹介。去年の12月に、iBookstoreから「The Beatles Yellow Submarine」という絵本がリリースされた。もちろん、ビートルズのYellow Submarineだ。その技術的な調査と将来の展望について。

このYellow Submarineは、マルチメディアでインタラクティブな絵本になっている。以下の機能があることが確認された。

・複数のフォントおよびサイズの混在したテキスト表示
・自由なテキストレイアウト。曲線にそったものもあり
・オーディオの再生
・テキスト、図版、ムービーの重ね合わせ
・ムービーのインラインおよびフルスクリーンでの再生
・テキストの読み上げ。読み上げ中にテキストをハイライト表示
・図版のアニメーション
・図版のドラッグでの移動

などなど。いかにもiPadらしさを活用した絵本だ。ダウンロードして触ってもらうのがいちばん分かりやすい。

ただ、これだけならApp Storeにたくさん登場している絵本アプリでも実現している。というか、そっちの方がもっとリッチなものがある。Yellow Submarineが興味深いのは、これらをどうやって実現しているかだ。

Yellow Submarineはアプリではなく、iBooksで表示するドキュメントの体裁を取っている。そのフォーマットは、EPUBだ。つまり、HTML、CSS、JavaScriptで、レイアウトやアニメーションを行っているのだ。HTMLはFixedレイアウト。テキストの読み上げタイミングの制御には、SMILが使われていた。EPUBに含まれる標準技術で、これだけの絵本を作れるという実証になっている訳だ。

ただし、HTMLやJavaScriptファイルは、暗号化されていた。おそらくFairPlayで。だから内容は確認できなかったし、他のEPUBビューワでの再生もできないだろう。

で、こっからは予測になるけど、Appleから1月19日にイベントが行われる事が告知されている。噂によると、電子教科書関連の発表になるらしい。となると、その機能やアピアランスは、このYellow Submarineで実現されているものに近くなるんじゃないだろうか。つまり、自由なテキストレイアウト、図版やムービーの重ね合わせ、インタラクティブ、テキストの読み上げとハイライト。フォーマットはEPUB。FairPlayで暗号化。配信にはiBookstoreを使う。と、いった感じで。

でも、こんなリッチな教科書をどうやって作ろうか。ここで思いをめぐらせると、Appleが作っていたHTML、CSS、JavaScriptオーサリングツールとして、Dashcodeがあったじゃないか。DashcodeはDashboardウィジェットをWYSIWYGで開発できるツール。とてもよくできていたんだけど、Dashboardがまったく流行らなかったので、表舞台に立つ事はなかった。Dashcodeの特徴は、HTMLを編集するんだけど、完全にFixedレイアウトでデザインすること。これって今回のYellow Submarine向きじゃない。

ということで、イベントではiPad教科書用のオーサリングツールも同時に発表されるだろう、と予想。これが出たら、電子書籍の起爆剤になるだろう。それに、Flashがなくなったことによるインタラクティブアニメーションツールの不在という問題も解決する事になる。

ま、これは予想というよりも願望に近いな。

 

17日15時追記:推論からこの記事を書いたんだけど、他のサイトからこんな記事も。GarageBand for e-booksって言い方はテクノロジーベースで考えると不適切だと思うけど。でも、ツールが出るかもしれないって話が噂サイトからも出てくると、それは盛り上がるね。